風水や家相について本やインターネットを使って調べると、「東北の鬼門(きもん)に玄関や水回りを配置してはいけない」と記載されていることが多いものです。

そのような情報を耳にして、すでに建てた家の玄関が東北の鬼門にあることを気にしている方がたくさんいらっしゃいます。また、これから家を建てる計画段階の方でも、道や立地の関係から玄関を東北にしか設置できない場合もあるでしょう。そのような東北に玄関を設置することになった方から、どのように考えたらいいのかとのご相談が多く寄せられます。

本当に東北(鬼門)に玄関があると不幸なことがあるのでしょうか。実は一概にそうとは言えません。鬼門に玄関があっても形状が良ければ問題無いのです。

このページでは、鬼門についての解説と玄関が東北にある家の見解と対策について解説していきます。

鬼門(きもん)玄関はなぜ悪いと言われるのか

この図のように、東北に玄関がある家は「鬼門に玄関があるから家相が悪い家」と言われる傾向にあります。

なぜそのようなことが言われるのかについては、鬼門の基本的な考え方を知ると理解できるでしょう。以下で解説していきます。

鬼門の基礎知識・由来

家の中心から見て東北方位を鬼門と言います。まずは、家相を見るときに使用する方位図を見てみましょう。

家相鑑定では、このようなシートを間取りの上に置いて吉凶を見極めていきます。家相鑑定は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・酉・戌・亥の十二支を方位に割り当てて判断するものです。干支1つにつき30度の方位が割り当てられます。

東西南北はそれぞれ30度しかありませんので、干支は1つです。東北、東南、南西、北西は60度ありますので、2つの干支が担当します。このとき、東北には丑と寅が配置されていることがお分かりいただけるでしょうか。

丑は草食動物で角があり、寅は肉食動物で牙があります。角と牙の両方を持つ動物は地球上では存在しません。しかし、鬼は両方を備えています。つまり、鬼は丑の角と寅の牙を両方持っていることから「北東には鬼がいる」と考えられたのです。

鬼は空想上の存在ではありますが、その昔はとても恐れられていました。そのため、鬼を刺激しないようにしたいと考えたのです。そこで、家の東北方位はエネルギーを落としてしまう原因となる「欠け(形状が引っ込んでいる状態)」や「水回り(トイレ・キッチン・お風呂など)」を配置しないように気を付けていました。

また、東北は気温が低く、湿気も多いため、暗くなりがちです。そのため、カビの発生など家のメンテナンスに注意しなければならなかったり、換気や温度管理に配慮しなくてはならなかったりと気を配る必要のある方位とも言えます。

このような干支を主体に見る鬼門に関する考え方は家相独特の考え方であり、風水にはありません。しかし、風水が中国から日本に伝わった当時、東北から蒙古人(異民族)が攻めてきていて恐れていたことも知識として一緒に入ってきたようです。それも、東北を警戒する由来のひとつになっているとされています。

鬼門が恐れられる理由

ここまで述べてきたように、東北の鬼門を恐れることの由来はあくまでも昔ながらの考え方と言えます。そのため、現在では関係ないようにも思えます。しかし、現代に全く影響が無いかというとそうではありません。

家相は九星気学(きゅうせいきがく)という占術が基本となって発展した思想です。九星気学は、運勢の流れや方位の良し悪しを判断し兵法として戦国武将たちが積極的に学んだと言われています。この九星気学の思想の中で、東北はいろいろな物事の切り替えや変化が起こる方位だと考えられています。

鬼門(東北)に集中しているエネルギーがある

九星気学では1日の時間もそれぞれ干支や方位と絡めてみていきます。

東北には、夜の1時から5時の時間帯と1月と2月が割り当てられています。1日のうち、朝のスタートは一般的に3時です。また、1年のスタートである立春は2月にあります。このように、1日の切り替えと、季節の切り替えの要素が東北にはあるのです。

また、良い土地とは、北と西は高く、南と東は低い立地をいいます。このような土地を拠点にすると、気の流れが良く発展繁栄します。このとき、高低の境目は北東と南西の真ん中を結ぶ線となるのです。

このように、土地の吉凶を見抜く際に用いる高低をわける境目にあたる線を鬼門線(きもんせん)または運線(うんせん)と言います。高低差のあるところは、気が乱れたりぶつかったりします。つまり、北東から南西に向けては気が激しく流れる方位と考えられるのです。

ここまで述べてきたように、東北は「1日の切り替わり」「1年の切り替わり」「土地の高低を見分ける際の切り替わり」など、いろいろな物事の切り替わりをつかさどる方位です。

つまり、気の流れが激しいため、注意が必要な方位と言えます。そのため、特に東北はマイナスの影響を生むようなことをしてはいけません。マイナスな影響を生むこととは、家の形を引っ込ませたり、水回りを配置したりすることを言います。そのような形状や間取りにすると家全体に悪い影響を与えてしまうのです。

どうして東北玄関だとダメなのか

ここまで述べてきたように、東北は気の流れが激しく注意が必要な方位です。では、なぜ東北の玄関だと良くない家相だと言われるのでしょうか。

ここに玄関を設置するとダメだと言われる理由は、玄関を設けることで家の形が引っ込んだ状態になりやすいからです。引っ込んでいると「欠け」と呼ぶ凶の家相になってしまいます。

玄関は「外気」と呼ばれる外からの気が家の中に入る大切な場所です。とくに北東はここまで述べてきたような激しい気が流れています。欠けている(凶の形)の玄関から激しい気が入ってくると、家の中が乱れてしまいます。つまり、家庭内にもめ事が多く発生するのです。

そのため、北東の玄関の形状には注意をしなくてはなりません。下の図は東北に玄関のある間取りです。

上図のように、玄関はついつい少し引っ込ませた形状にしてしまうことが多いものです。その理由は、2階の床部分を玄関ポーチとして兼用すると施工費を安く抑えることができるからです。

しかし、ポーチがあったとしても、2階部分があるとしても、1階平面図としては引っ込んでいるので「欠け(かけ)」と呼ばれる凶相の間取りになります。家全体を見たときに引っ込んでいる部分は、エネルギーが弱まってしまう欠け(凶の形)なのです。

また、先ほど記載したように周辺環境や庭からの外の気は玄関から家の中に入ります。このとき、東北は気が激しく廻る方位ですから、他の方位にある玄関よりも強いエネルギーが入ってきます。上図のように東北が欠けている玄関の場合、引っ込んでいることでマイナスのエネルギーが満ちている玄関に、勢いのある気が入ってくることになるのです。

つまり、家の中全体にマイナスの気を巡らせてしまうことになります。そのため、東北玄関は避けるようにと言われるのです。

一方、下の図面は玄関部分が引っ込んでいません。逆に少し張り出している玄関です。

上図のように、玄関を少し出して張り(吉相)にしている場合は、東北(鬼門)玄関だとしても問題ありません。逆にパワーの強い気が入ってくるので、この家に住む家族はパワフルな気質の方々でしょう。

実際に東北玄関の吉相の家に住むご家族に伺うと、自分の仕事だけでなく、地域の役員やお子さんの習い事など日々が充実していて忙しいそうです。周囲からは元気で活動的な家族だと言われているとのことでした。

まとめ

「東北は鬼門だから玄関があると悪い家相だ」とよく言われます。これは、東北だから悪いわけではなく、形によるのです。玄関は引っ込ませて設置することが多いため、家相上「欠け(凶相)」の形状になることが多いという理由で、避けるように言っていると考えましょう。

隣接する道や土地の形状から、北東に玄関を取らざる得ないときは引っ込んだ形状にせず、ポーチを含めず外気と遮断された空間としてわずかでも良いので張り出させるようにすれば問題ありません。

もし、形が引っ込んでいて「欠け」の状態になっているのであれば、風除室を設けるなどリフォームで対処することで回避することも可能です。必要以上に恐れることなく、冷静に対処して快適な生活ができるように家を整えていきましょう。


家相(間取り)が変われば人生が好転する

これまで運がないと感じたり、どれだけ頑張ってもうまくいかなかったりすることはないでしょうか。

例えば仕事であれば、ブラック企業で働いていて収入や休みが少なく、労働時間が長いわりに給料は良くないことがあります。その場合、体が疲れ切っていて調子が悪いです。

また健康であれば、「脳梗塞になった」「がんと診断された」「ヘルニアになった」などを含め、何だか体調がすぐれないことがあります。

家族関係も大きな問題です。夫婦仲、息子、親、兄弟との関係が冷えていると家で過ごすプライベート時間が居心地の悪いものになります。他にも人間関係という意味では、上司・部下、同僚、ママ友、近所づきあいなども関わってきます。

こうした問題を抱えている人の家相・風水を私は長年みてきました。それらに共通することは、どれも家相が悪いということです。例えば仕事運のない人は「仕事で信頼されにくいとされる間取りの家」に住んでいます。健康に問題のある方は「健康を害しやすい家相の家」に住み続けています。

そこで家相(間取り)を変えれば、1年以内にそれまでの人生が好転するようになります。