家を建てることは、誰にとっても一大事業です。高額な出費になりますし、決定しなくてはいけないことが次から次へとやってきます。今後のローン返済を考えると不安がよぎることもあるでしょう。
そのような状況の中、いよいよ家の新築工事の計画を立てる段階になったときに、建築業者によっては、「着工日には土用(どよう:春夏秋冬ごとの季節の変わり目)の期間を避けたほうが良い」とアドバイスしてくれることがあります。
なぜなら、季節の変わり目は気が乱れているため、その影響で工事がうまく進まないことが多いからです。日にちを調整するだけで、何事も無事に済むのであれば、それに越したことはありません。
このページでは、「土用期間に基礎工事をスタートさせてはダメ」といわれる理由を解説してきます。
事故やミスを避ける先人の知恵
土用の期間に基礎工事を行ってはいけません。なぜなら、土用は土を休ませるべき時期で、このとき土を掘り返すことにより、工事に不具合が生じてしまうからです。
土用期間は2週間ほどの期間です。この期間を少し調整することで一生住み続ける家の工事が良いものになるのであれば、地鎮祭の日を早めたり、遅らせたりすることに何か問題があるのでしょうか。
「土用期間の基礎工事を避けるべき」という考えは、昔の大工さんから言われてきたことです。自然の大きな力を私たちの先人たちは、大切に捉え受け継ぐべき知恵として活かしてきたのです。工務店によっては「今どき関係ない」というところもあります。
しかしながら、気にしつつも迷信として片付けてしまうと、もし不具合が起こった場合、後悔することになるでしょう。
工事工程の都合があることは理解できます。しかし、家を作ることは大事業であり、人生を大きく変える節目になります。このような大切なときに、人間には計り知れない大きな力を味方にしないのは、もったいないのではないでしょうか。
土用という季節が切り替わるほどの大きな力を考慮して、工事工程を調整することをおすすめします。
土用期間中は基礎工事を避けたほうが良いの?
風水や家相は、昔から現代に至るまで伝えられてきた先人の生活の知恵の結晶です。農耕の発展とともに、人びとは、人間には太刀打ちが効かない自然界の大きな力の存在に気づきました。そして、季節の移り変わりの法則性を読みとくことで、この大きな力を自分たちの見方につけようとしたのです。
春、夏、秋、冬と季節が移り変わるときに、今日までは「春」明日からは「夏」と割り切れない「季節の変わり目」と呼ばれる期間があります。季節の区切りがあいまいで気が入り組んだ期間を「土用(どよう)」と呼ぶのです。
土用は、季節を分ける元となっている「二十四節気(にじゅうしせっき)」の立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前にあたる約18日間をさしています。
季節の分け方は下記のとおりです。
- 立春は2月ですから、2月、3月、4月が春
- 立夏は5月ですから、5月、6月、7月が夏
- 立秋は8月ですから、8月、9月、10月が秋
- 立冬は11月ですから、11月、12月、1月が冬
つまり、土用は年に4回あるのです。土用期間の開始の日はその年によって1日か2日くらいずれることがありますが、おおむね下記の年に4回約18日間が土用期間にあたります。
- 春の土用…4/17~5/4
- 夏の土用…7/19~8/6
- 秋の土用…10/20~11/8
- 冬の土用…1/17~2/3
上記のように、土用はその季節の終わりから次の季節への移行期間になります。言い換えるとその季節の気が一番強まっているときです。
そして、「気が強まって次の季節へと移行する」「次の季節の気が入り込んできていて複雑化している」「季節が入り乱れている」という状態といえます。私たち人間も自然界の一部ですから、季節が変わる複雑な気の影響を受け、土用期間は体調を崩しやすかったり、イライラしやすかったり、判断力が鈍ったりします。
たとえば、夏の土用には「土用の丑の日」があります。スーパーやコンビニでは、「土用の丑の日」と称してウナギの販売に活気づく期間です。これは、体調を崩しやすい土用の期間と夏の暑さや疲れを絡めて、ウナギの消費を促しています。
しかし、季節が移り変わるときを「土用」と呼ぶのですから、土用の期間は夏だけではありません。それなのに、なぜ夏の土用だけがクローズアップされたのかについては、スーパーやコンビニなど食品業界の販売戦略が成功しただけのことでしょう。
ですから、他の土用期間の凶作用が軽いというわけではありません。夏以外の土用期間も十分注意する必要があります。
土用期間と新築工事の着工
土用の期間は「土の気」が最も盛んになるため、土を掘り起こさず寝かせておくことが必要だといわれます。
新築工事は土を掘り起こすことから始めます。そのため、土用期間中に新築工事を着工させると工事自体に土用の影響が出てしまうのです。家が建った後もいろいろと不具合が起きる可能性が高くなるため、土用期間中の土を掘り起こす工程は避けたほうが良いといわれます。
なお、地鎮祭、外壁、屋根、内装などの土を掘り起こすことに関連しない工事を行うことに支障ありません。
土用期間になぜ土を触ってはいけないのか
土用について、風水や家相の思想の原点である五行説(ごぎょうせつ)から解説していきます。
五行思想とは、「現象」「人」「食べ物」「色」「数字」「病気」など、世の中すべてのものごとを木、火、土、金、水の5つの性質に振り分けて考える思想です。
その中には季節も含まれており、春は木の性質、夏は火の性質、秋は金の性質、冬は水の性質にあたります。このとき、「季節の変わり目」の気が入り組んでいて、季節の区切りがあいまいな期間を土の性質にあてているのです。
五行 | 季節 | 方位 | 数字 | 色 |
木 | 春 | 東・東南 | 3・8 | 青・緑 |
火 | 夏 | 南 | 2・7 | 赤・紫 |
土 | ー | 中央 | 0・5 | 黄・茶・ベージュ |
金 | 秋 | 北西・西 | 4・9 | 金・銀・オレンジ・ピンク |
水 | 冬 | 北 | 1・6 | 白・黒 |
土には、あらゆるものを受け入れ、腐らせ、育成するという作用があります。土の中には、虫や細菌などの微生物が存在しており、「腐葉土」はその特質を生かして作った栄養のある土です。土用期間中は、土の「あらゆるものを腐らせる」という力が高まっている時期といえます。
そのため、土用の期間は土掘り返すなど、土に関する作業をすると、土の「なんでも腐らせる力」の影響を受けて、体調を崩したり、持病が悪くなったりするのです。
土用期間と現代社会
一年中同じ土で農作物を育てると、土の栄養素が枯れくるため、良い物が育たないといわれます。昔の人は、体験からこのことを知っていました。人間には到底かなわない自然の大きな流れや法則から、土を扱うのは神様で、人間の都合で作業をしてはいけないと考えたのです。
そこで、土用期間は土を休ませ、自然界に(神様)に返す期間とし、春や秋にはお祭りをして農作業をしない期間を設けていました。この期間に土を掘り起こすと、神様が怒るため、体調を崩すと考えた人々もいたようです。
しかしながら、残念なことに現代において土用期間はそれほど重要視されなくなってしまっています。
兼業農家が増え、二十四節気の流れに合わせず、カレンダー上での祝日に合わせてお祭りをしたり、田植えをしたりすることも多くなりました。自然界の流れよりも、自分たちの生活パターンを優先にしているためです。これが原因で、土の中にいるウイルスや細菌などの影響を受け、アトピーやアレルギーに悩む人が増えているとする説もあります。
まとめ
私たち人間も自然界の一部です。家を新築する際は、土用期間に土を掘り起こすような作業(柱を立てる、配管をするなどの基礎工事)はさけるように計画を立て、見えない力を味方につけるようにしてください。
この期間の工程を考慮するだけで、工事自体もスムーズに進み、完成後も不具合のない満足のいく生活になることでしょう。
家相(間取り)が変われば人生が好転する
これまで運がないと感じたり、どれだけ頑張ってもうまくいかなかったりすることはないでしょうか。
例えば仕事であれば、ブラック企業で働いていて収入や休みが少なく、労働時間が長いわりに給料は良くないことがあります。その場合、体が疲れ切っていて調子が悪いです。
また健康であれば、「脳梗塞になった」「がんと診断された」「ヘルニアになった」などを含め、何だか体調がすぐれないことがあります。
家族関係も大きな問題です。夫婦仲、息子、親、兄弟との関係が冷えていると家で過ごすプライベート時間が居心地の悪いものになります。他にも人間関係という意味では、上司・部下、同僚、ママ友、近所づきあいなども関わってきます。
こうした問題を抱えている人の家相・風水を私は長年みてきました。それらに共通することは、どれも家相が悪いということです。例えば仕事運のない人は「仕事で信頼されにくいとされる間取りの家」に住んでいます。健康に問題のある方は「健康を害しやすい家相の家」に住み続けています。
そこで家相(間取り)を変えれば、1年以内にそれまでの人生が好転するようになります。