家相の吉凶は、家の形が良いか悪いか、水回りなど間取りの配置が良い方位にあるかどうかで判断します。正確な判断をするときには「建物の重力中心」と「中心からの方位を正確に出すこと」が重要です。

家の重力中心から、張り出している部分や引っ込んでいる部分がどちらの方角にあるか、水回りの位置がどの方位にあるのかによって、住人が受ける影響の内容が違います。中心が正確でない場合、方位別で見る吉凶の判定が間違ってしまうのです。

建物の中心の出し方は、流派によって考え方に違いがあります。このページでは、玄関ポーチ、バルコニー、出窓、ウッドデッキ、風除室などの扱い方を含め、建物の中心を正しく出す方法と各方位の範囲について説明していきます。

良い家相と悪い家相の見分け方

家相は家の形の張り(吉)と欠け(凶)を観て、発展する家か衰退する家かを判断します。まずは家の形が良いことが第一条件です。家の形が悪い場合、水回りの配置や玄関の方位を良い場所にしても意味がありません。

まずは家の形を吉相になるように整えましょう。ここからは家相の良い家の形について解説していきましょう。

家相の良し悪しは、下の図のようにシンプルな長方形を基準に考えます。

この図のAに対するaように端から出っ張っている箇所がある場合、1辺の3分の1以内の張り出しは「張り(吉)」となります。逆にBに対するbのように、張り出しすぎていると足りない部分が「欠け(凶)」です。

また、Cに対してcのように、真ん中で出ている場合は、1辺の5分の1以内の幅に収まっていないと欠け(凶)と判断します。この形に合っているかどうかで、「家相が良い(吉相)」「家相が悪い(凶相)」を判断するのです。

家相は家の形を重要視します。家の形が良くないと、いくら間取りが良くても凶相であることには変わりありません。

水回りの配置や間取りよりも、家の形を良くすることを第一に考えましょう。もし、家の形が先ほどの張り欠けの図で、欠けだった場合は、家の形を整えるための工事を行いましょう。家の形が悪いまま、リフォームやリノベーションを行うと、凶作用を強く受けることになります。

凶作用とは、家の形がどれくらい悪いかによりますが、事件や事故に巻き込まれたり、病気になったりすることです。

家相では重力中心で判断する

家相鑑定の流派によっては、「主人の寝ているところを中心にする」「大黒柱を中心とする」としている場合があります。しかし、これら2つの見方には大きな問題点があります。

まず、「主人の寝ているところを中心にする」と、主人が寝室を変えるごとに家の中心が変わることになってしまいます。単身赴任になったり、離婚して主人が不在になったりした家には中心が無いのでしょうか?もちろんそうではないため、この理論では話がおかしくなります。

また、「大黒柱を家の中心にする」という考え方についても、近頃の家には大黒柱といえる柱を使用しない構造が多くあります。大黒柱の無い家には中心が無いかというと、もちろんそうではありません。

上記のような中心の取り方をしている家相鑑定は間違っていますので、ご注意ください。正しい建物の中心は「その建物の重心点」です。それでは、正しい重力中心の出し方を見ていきましょう。

家相を見る際の正しい中心の出し方

シンプルな長方形の建物の場合、対角線の交点が中心となります。しかし建物が凸凹している場合は、中心の確認に少し手間が必要です。

まず図面を縮小コピーし、厚紙に貼ります。(あまり小さくしすぎると作業しにくいので、文庫本くらいのサイズがおすすめです。)それを建物の形に切り取ってください。その切り取った図面をコンパスなどの先がとがったものに乗せ、バランスを取ってください。下の写真のように、うまくバランスの取れたところがこの建物の重力中心です。

このように建物の重力中心を割り出し、その点を基準に各方向を確認し、水回りの配置や間取りを確認していきます。

家相で玄関ポーチは張り?

上記のように建物の形を正確に切り取ろうとしたときに悩むのが、玄関ポーチ、出窓、サンルーム、ウッドデッキ、バルコニーではないでしょうか。

これらを家の重力中心を出す際に入れるのか入れないのかで、重力のかかり具合が変わってしまうため注意が必要です。間違ってしまうと、家の中心がズレることになります。

家相資料

建物に含めると判断する基準は、その場所が外気から遮断されているかどうかです。「屋根、床、壁」に囲まれている場合は、家の中として考えるため重力中心を考える際には、含めることになります。もしその場所が出窓のような形状になっていて、地面に接していない場合は、家の形には含めず切り取ってください。

下の写真の家のように玄関ポーチが柱だけの場合、屋根や柱が出ていても、壁で囲まれていないので、建物には含みません。

しかし、周囲がガラスなどで囲まれ、地面に接触していて、雨や風を防ぐことができる形状の風除室の場合は建物に含みます。

同様にウッドデッキやバルコニーも、「屋根、床、壁」で仕切られた空間ではなく、外気にさらされているため建物に含みません。また、地面に接触していない「出窓」も建物に含みません。それに対して、サンルームは地面から基礎があり、その上ガラスで囲まれていますので建物に含みます。

家の中心の導き方を間違えると、家相や風水で重要視するポイントがずれてしまいます。このことにより、吉凶の判断が全く違ったものになってしまいます。その結果、吉を強めるために施した対策が、かえって住人に悪い影響を与えることにつなる危険性が出てきてしまいます。

一方で、正しく中心を理解したうえで家相を見れば、吉を高めるための行為が狙い通りの効果を生み出すことになります。つまり、ほんの少しでも家の中心がズレることによって、対処方法や効果が違ってきてしまうのです。

このように、家の中心は「このあたりではないか」と、何気なくとらえている方が多いように思いますが、実は正しい家相鑑定をするうえで、かなり重要視しなくてはならないポイントです。

効果的な対策を施すためにも、これまで述べてきたことから建物の形状をしっかりと把握し、正しく中心を出すようにしましょう。

家相の北はどこからどこまで?

家の中心が出せたら、どこからどこまでが何の方位になるのか範囲を確認しましょう。

家相を判断する際には、東、西、南、北の範囲がそれぞれ30度、北東、東南、南西、北西はそれぞれ60度としています。

45度の方位線では鬼門の解説ができない

東西南北が30度でほかの方位が60度の理由は、30度ごとに1種類の干支を配置しているからです。鬼門と呼ばれる北東には、寅と丑が配置されます。

寅は牙を持ち、牛は角を持つ動物です。牙と角の両方を持つ動物は地球上に存在しません。しかし、鬼は牙と角を両方持っています。そのため、北東には鬼がいると伝えられたのです。

このような鬼門の由来を、すべての方位を45度に均等に分けた方位線を用いる風水では解説できません。北東はなぜ鬼門と呼ばれるようになったのかを説明することができるのは、家相が九星気学から発展した思想だからです。

風水はその土地が良い土地かどうかを判断する際に用います。

家相のもとである九星気学は、世の中の物事すべてを理論的に分析しまとめた学問です。あらゆるものごとを総合的に判断するため「この家に住むとどのような生活が待っているのか」を家相鑑定では観ることができます。

たとえば、北東が欠けている(凶)場合は、親、親戚、兄弟などの血縁関係でもめたり、腰が悪かったりします。事象で出る場合と体調で出る場合があるのです。なかには両方に問題を抱える人もいます。逆に、北東が張り(吉)の家は、親子関係がとても良好で、やる気に満ちていて、活動的な家族が住む家です。

同じ方位でも、家の形が吉か凶かでその家に住む生活の質に大きな差が生まれます。くれぐれも住んでいると自然と良い影響を受けられる吉相の家に整えましょう。

まとめ

家相では、間取りが良いか悪いかよりもまずは「家の形」を良い形に整えることを大切にしています。家の形が悪いと、いくら間取りを吉にしても、玄関の位置にこだわっても無駄なのです。まずは、家の形か良いか悪いかをしっかりと確認しましょう。

そのうえで、いったいどの方位が良くて、どの位置が悪いのかを把握し、対策をしていくことになります。これらを判断する際には、家の重力中心を割り出し、各方位を確認しなくてはなりません。

家の中心は、主人の寝室でも大黒柱の位置でもありません。家の中心は、建物全体の重力の中心です。ポーチやウッドデッキは含めず、外気と遮断された空間のみを残した図面を作成し測るようにしましょう。

家の重力中心から、東西南北は30度、その他の方位を60度として、各方位の吉凶を判断してください。

家相が悪いまま、リフォームやリノベーションを行うとトラブルが発生します。凶相の家だった場合は、まずは家相を整えるためにはどうしたら良いのかを把握しましょう。家の形を吉相に整えるためのリフォームやリノベーションを行えない場合、家は触らないほうが無難です。


家相(間取り)が変われば人生が好転する

これまで運がないと感じたり、どれだけ頑張ってもうまくいかなかったりすることはないでしょうか。

例えば仕事であれば、ブラック企業で働いていて収入や休みが少なく、労働時間が長いわりに給料は良くないことがあります。その場合、体が疲れ切っていて調子が悪いです。

また健康であれば、「脳梗塞になった」「がんと診断された」「ヘルニアになった」などを含め、何だか体調がすぐれないことがあります。

家族関係も大きな問題です。夫婦仲、息子、親、兄弟との関係が冷えていると家で過ごすプライベート時間が居心地の悪いものになります。他にも人間関係という意味では、上司・部下、同僚、ママ友、近所づきあいなども関わってきます。

こうした問題を抱えている人の家相・風水を私は長年みてきました。それらに共通することは、どれも家相が悪いということです。例えば仕事運のない人は「仕事で信頼されにくいとされる間取りの家」に住んでいます。健康に問題のある方は「健康を害しやすい家相の家」に住み続けています。

そこで家相(間取り)を変えれば、1年以内にそれまでの人生が好転するようになります。