最近の住宅には「吹き抜け」を取り入れた物件が多くみられます。天井付近から自然の光をたくさん家の中に呼び込むことができることや開放感が人気の要因です。
しかし、昔の風水や家相の考え方では、吹き抜けは良くない形状だとされていました。ただ、住宅事情や時代の変化とさまざまな立証により、この考え方は変化しています。最近では吹き抜けは凶相(悪い家相)ではないとの考え方になっているのです。
このページでは「なぜ、家相では吹き抜けが良くないといわれていたのか」「現代ではどのようにとらえているのか」を吹き抜けのメリット・デメリットと合わせて解説していきます。
風水・家相による吹き抜け
吹き抜けとは、1階の一部分に天井(2階の一部分に床)を設けず、1階と2階(上下)を連続させたスペースのことをいいます。マンションのエントランスホールやホテルなどによく見られる形です。一般住宅の場合は、玄関付近によく設けられていましたが、最近では居間に吹き抜けを用いるケースも増えました。
明るくて開放的な吹き抜けですが、立体的にみると家の中に「穴がある」と以前の風水・家相では見ていました。この穴によって、玄関から入ってきた外からの良い気が1階をめぐる前に上に抜けてしまうと考えて「吹き抜けは良くない」としていたのです。
気は玄関から入ってきて、1階を満たし、階段から2階へ上がり2階をめぐった後に屋根から抜けて庭に戻るとされています。その流れの途中で(1階を満たしきる前に)2階へと気が上がってしまうことを懸念していたのです。
吹き抜けの3つのデメリット
「気が2階へと抜けてしまう」ということを冷暖房や音の反響などを例に解説していきます。
冷暖房
建物の気密性がだいぶ良くなったとはいえ、冬には温めた空気が上にあがってしまいますし、夏には屋根からの熱が2階から1階に伝わってしまいます。1階でいくら暖房をしても2階そのあたたかい空気が貯まるように、気も2階へ抜けてしまうのです。
1階がなかなかあたたまらず、2階は熱が貯まるなどの非効率な冷暖房の結果、吹き抜けがあると光熱費がかなりかかる家になってしまいます。
あたたかい空気が上にたまってしまう問題は、写真のような空気を循環させるシーリングファンを設置するなどで対策をします。吹き抜けが居間にある家は特に、家全体での冷暖房対策を考えなくてはなりません。1階と2階を区別した間取りであれば、必要な部屋だけを適温にすればよいので冷暖房の効率を考えると、吹き抜けは無いほうが良いでしょう。
音
吹き抜けを用いると、音の問題も起こってきます。話し声やテレビの音などが家全体に反響してしまうのです。気の流れも同じように、全体に広まってしまうため流れが弱まるとされています。
吹き抜け部分が玄関の場合は、さほど生活に影響はないと思われますが、リビングが吹き抜けの場合は、生活音が響いてしまいます。防音対策をしっかりと考えないといけません。
特に交代勤務のような不規則なお仕事をされている家族がいらっしゃる場合はなおさらです。寝なくてはいけない時間に音が気になって寝られないということでは、仕事に支障が出てしまいます。また、物音に敏感な方が住む場合は、寝付けなくなったり、余計に神経質になったりする可能性もあります。
臭い
キッチンやダイニングにあたる部分に吹き抜けがある場合は、料理の臭いが家全体に広がることになります。気の流れも同じように広まってしまうことにより弱まります。
換気や消臭対策を十分にしておかないと、調理中の臭いはもちろん、臭いの残りやすい焼き肉やホームパーティーなどの翌日は、家族みんなが不快な朝を迎えることになってしまいます。部屋が個別に分かれている場合は、使用した部屋のみの換気や消臭対策で済むので効率的です。
気の流れは冷暖房・音・臭いと同じ
風水は風の流れや水の流れを見るものです。つまり、「温度」「音」「臭い」が抜けてしまうように、「1階にあるべき気が2階へ抜けてしまう」と考えて、以前は吹き抜けを用いることは良くないとされていました。
現代の風水・家相における吹き抜けの考え方やメリット
このように、デメリットもある吹き抜けですが、現代の家相からの見解は少し変わってきました。吹き抜けのメリットと合わせて解説していきます。
開放感がある
人は天井の高さによって、その空間が広いか狭いかを判断する傾向があります。同じ面積でも天井が高いと広いと感じるのです。
核家族化が進み若い世代で家を構えようとすると、広い土地に見合った家屋を建築するには費用や維持管理の面で負担が大きすぎます。そのため、小さな敷地にコンパクトな家を建てるケースが増えてきました。
狭いながらも自宅では少しでもゆったりと広く伸び伸びと過ごしたいものです。この思いを満たすためには、吹き抜けを用いることが効率的だといえます。広々とした開放感が吹き抜けの一番のメリットだからです。
風水や家相は「人が快適に過ごすための知恵」ですから、狭い部屋で窮屈な思いをして生活するよりも、開放感のあるゆったりとした毎日を送ることができる環境作りの方が大切だと考えます。
家族の気配を感じられる
先ほど、デメリットにあげた「音」はメリットとして捉えることもできます。「物音がする」ことで、「あそこにいるんだな」という感覚と安心感が得られます。また、コミュニケーションを気軽に交わすことができる点もメリットの一つです。
たとえば、子供たちにご飯ができたことなどを知らせるために声をかける際にも、それぞれの部屋へ行くことなく、2階へ向けてひとこと声をかけるだけで伝わります。
風水や家相では、家族が一体であることを大切に考えます。コミュニケーションを密にして、親子や兄弟間が仲良くにぎやかに過ごすことが、幸せを呼び込むポイントです。吹き抜けがあることで家族関係が良好になる点から設けても良いとしています。
自然光が日中たくさん入る
家相では、日中に自然の光が入らないことは良くない(凶)としています。人は太陽の動きとともに生活をしてきました。現代では、電気ガス水道などのライフラインの発達により、夜でも明るく快適に過ごすことができます。
しかし、その恩恵のおかげで、自然のリズムから遠い生活を送っているのではないでしょうか。朝、自然に明るい光が入り、夜は暗くなるという自然の流れが吹き抜けからの日差しを通して感じられることでしょう。
不自然なリズムで生活していると、身体がだんだんと弱ってきたり、疲れが貯まってきたり不具合が生じます。家も同じで、自然な光が入ってこないと気の流れが滞り、その家に住む人は停滞感を感じる生活になってしまいます。家の中に明るい自然な光が入ることは、家族に明るさをもたらし、生活を整えてくれる効果もあります。
また、都会によくみられる土地が狭くて、隣の家と隣接して家を建てている場合は、日陰になりやすく日中でも窓から光が入りにくいものです。その点でも、吹き抜けからの光はとてもありがたい「自然からの恵み」となります。
あなたも明るい日差しを部屋の中であびて、開放的な朝を迎えるようにしてはいかがでしょうか。きっと気持ちの良い起床にはるはずです。
吹き抜けを設置してはいけない場所
ここまで述べてきたように、吹き抜けは「光熱費がかかる」「音や臭いが広がる」などのデメリットと「開放感がある」「家族の気配が感じられる」「自然の光を取り込める」というメリットがあります。
最近では1階に気が充満せず、2階に抜けてしまうというデメリット面よりも、自然の光がたくさん入ることや家族との一体感を得られるメリットの部分を重要視する傾向があり、吹き抜けを凶相(悪い家相)とは捉えなくなりました。
吹き抜けを設けることに関しては、ご家族のライフワークに合わせて検討していただくのが一番大切です。設置に関して風水・家相的に問題はないのですが、設置場所には注意点があります。
2階の中央部分が吹き抜けの箇所にあたらないようにすることだけは守ってください。
たとえば2階の平面図が上の図のような形状だった場合、黄色く塗りつぶした個所が中央部分にあたります。家相鑑定は家の中心から各方位を割り出していくため、家の中心をとても大切に考えるのです。この部分が吹き抜けになっている場合は、中心(中央)が無いということになり、家相上良くありません。
基本的には、一階平面図の形状でその家に住む人の生活や考え方、生き方を判別していきます。2階は補助的な捉え方をしていくため、吹き抜けに関しては家族全体というよりも、2階を主に使う人へ影響をみます。
中央が無い(欠け)の状態であれば、不平不満を持ちやすい、イライラしがち、すぐにあきらめる、ふてくされる、強欲、お腹の調子が悪い(内臓疾患)などの現象が現れてきます。
もし、お子さんが2階を主に使うとすれば、お子さんに影響が出てしまうので注意しましょう。
実際に2階の中央に吹き抜けがあり、1階のリビングと続いていた家で、リノベーションを行い、床を張って吹き抜けをふさいだケースがあります。一部屋増えたこと、冷暖房費が下がったこと、お子さんが意欲的に勉強や部活動に取り組むようになったことを喜んでいました。
理想的な吹き抜け
これから間取りを検討する段階の方で吹き抜けを設けたい場合は、中央ではなく、外面に沿った部分にしてください。そうすると家族への影響はそれほど大きくありません。自然の光を取り込めることや開放感などのメリットを存分に取り込めるよう配置してください。
すでに2階の中央に当たる部分が吹き抜けに当たっている家の場合は、リノベーションを検討してみましょう。広さによってはかなり大きな金額になるとは思いますが、埋める価値は十分にあります。
吹き抜けは照明の交換や窓の掃除をしようとする際に大変苦労する部分でもあります。自分の身長より高い脚立に上り、窓を掃除したり、照明を取り替えたりする可能性があることも念頭に置いて設置を検討してください。
風水・家相では、切れっぱなしの照明や汚れた窓は運気を下げる要因と考えます。メンテナンスの面も十分に考慮して快適な住まいを実現させましょう。
まとめ
吹き抜けは、いろいろなメリットとデメリットがあります。
自然の光が家の中に多く取り入れられることによるメリットは大きいものです。しかし、配置を間違えるとデメリットが生まれてしまいます。そのため、ポイントに注意して、家相的に悪い点のない間取りするように注意をしてください。そうすれば吹き抜けの構造にしても大丈夫です。
家相(間取り)が変われば人生が好転する
これまで運がないと感じたり、どれだけ頑張ってもうまくいかなかったりすることはないでしょうか。
例えば仕事であれば、ブラック企業で働いていて収入や休みが少なく、労働時間が長いわりに給料は良くないことがあります。その場合、体が疲れ切っていて調子が悪いです。
また健康であれば、「脳梗塞になった」「がんと診断された」「ヘルニアになった」などを含め、何だか体調がすぐれないことがあります。
家族関係も大きな問題です。夫婦仲、息子、親、兄弟との関係が冷えていると家で過ごすプライベート時間が居心地の悪いものになります。他にも人間関係という意味では、上司・部下、同僚、ママ友、近所づきあいなども関わってきます。
こうした問題を抱えている人の家相・風水を私は長年みてきました。それらに共通することは、どれも家相が悪いということです。例えば仕事運のない人は「仕事で信頼されにくいとされる間取りの家」に住んでいます。健康に問題のある方は「健康を害しやすい家相の家」に住み続けています。
そこで家相(間取り)を変えれば、1年以内にそれまでの人生が好転するようになります。