子育てをしながら、自分の持つ資格や特技を活かして「教えたい」「伝えたい」「家計の足しにしたい」と考える方が最近増えています。子育てと自分の好きなことや得意なことを両立できる生活はとっても理想的です。

ただ、店舗を構えたり公共の施設を借りたりするとなると、資金や手間がかかります。そこで、多くの方は自宅の一部屋を整え「自宅サロン」や「自宅教室」を始めようと考えるのです。自宅だと、空いた時間に家事ができたり、子供が学校から帰宅した際に出迎えることができたりします。

しかし、自宅にサロンや教室を設けることは家相鑑定の上では「大凶（とても悪い家相）」となるのです。

このページでは「自宅サロンや自宅教室がなぜ大凶となるのか」について、詳しく解説をしていきます。

自宅でサロンや教室を始めたい理由

妊娠や出産をきっかけに退職して専業主婦になる女性は多くいらっしゃいます。赤ちゃんの頃は、授乳やおむつ替えなどに加え、家事もあり忙しく1日があっという間に過ぎていくものです。しかし、成長とともに慣れることもあり、少し時間や気持ちに余裕が出てきます。

すると、「資格を活かしたい」「社会と繋がっていたい」「子育ての合間に何かしたい」「子供が保育園や幼稚園へ行っている間だけ働きたい」「時間を有効に活用したい」と思うようになるものです。

そんな時、子育てをしながら自分の特技や資格を活かして「自宅で何かできないか」と考える方が多くいらっしゃいます。自宅でサロンや教室などを始める場合は、設備投資にそれほどお金がかからず、気軽にできそうに見えるからです。自宅をサロンや教室として活用したいと、いままでご相談を受けた業態は下記のとおりです。

ネイルサロン
ヘアサロン
エステサロン
整体
料理教室
学習塾
ピアノ（音楽）教室
フラワーアレンジ教室
習字（筆文字）教室

他にも探せばあるかもしれません。

世間でも「おうちサロン」とか「サロネーゼ」という言葉が使われるようになり、優雅に子育てと仕事を両立しているようなイメージが広がっています。

自宅をサロンや教室にするメリット

このようなスタイルにあこがれる理由やメリットをあげてみましょう。

設備投資が少なくて済む
休みが自由に決められる
子供の帰宅時に家にいられる
定年が無い
自分のペースで仕事ができる
家をきれいにするきっかけになる

詳しく解説していきます。

設備投資が少なくて済む

どのような業態であったとしても、始めるとなると揃えなくてはいけない設備があります。エステサロンの場合は、ベット、タオル、バスロープ、毛布、専用の機械、化粧品など上げていくと、かなりたくさんのものが必要です。それに加えて、店舗を借りるとなると、家賃や改装資金が必要となります。

その点、自宅の１室を専用の部屋にするだけなら、家賃や大がかりな改装資金は必要がないでしょう。場合によっては、壁紙を変えたり、畳の部屋を床張りにしたりする程度の工事はあるかもしれません。それでも、店舗を構えるよりは金額的に負担はかなり軽いはずです。

休みが自由に決められる

子供の行事や体調に合わせてスケジュールの調整ができることが最大のメリットでしょう。授業参観や保護者会などの学校行事があるときに、お客様の予約を入れなければいいだけです。

また、パートや正社員として働く場合、夏休みや冬休みなどの長期休暇中には、子供の預け先を確保しなくてはなりません。実家が遠い場合は、一時保育をしてくれる施設やベビーシッターを探す必要があります。低学年の場合は、ひとりで長時間留守番をさせておくのも心配です。

休みや終了時間を自由に調整ができることは、子育て中にはとても助かることでしょう。

子供の帰宅時に家にいられる

自宅で仕事をしている場合、子供が学校から帰宅した際に「おかえり」と迎えてあげることができます。

ですから、鍵を持たせて通学させることや防犯上の不安はありませんし、宿題の進み具合や放課後のお友達との関係性も把握しやすいことでしょう。

定年が無い

いくつからでもいつまででも自分の気持ち次第で活動することができます。フリーランスですから、定年も年齢制限もありません。

自分のペースで仕事ができる

基本的に一人で活動することになりますから、誰かに振り回されたり、意見を求められたりということはありません。自分のペースで積極的に活動をしたり、逆に休んだりすることは自分次第です。

家をきれいにするきっかけになる

自宅の一部屋をサロンや教室にするとなると、その部屋だけでなく、玄関やトイレなどもお客さんが使用します。最低限、玄関からの動線上で見える範囲は掃除をして常にきれいに保つことを意識することでしょう。

家がきれいな状態に保たれることは、風水的にとても良いことです。

自宅をサロンや教室にするデメリット

家相鑑定として、自宅をサロンや教室にしたいというご相談を受けた場合、考え直すようにお伝えします。ここまで述べてきたメリットよりもデメリットの方が大きいからです。

家相の考え方は【家族が落ち着いて仲良く気持ちよく暮らしていける家を良い家】としています。

自宅をサロンや教室として使用する場合、不特定多数の人が家に出入りすることになることでしょう。この状態は、落ち着いて家族がのんびりと気持ちよく生活していける家ではなくなってしまうのです。

理由をあげてみましょう

家族に負担がかかる
出費ばかりで稼げない
防犯上危険

一つ一つ解説をしていきます。

家族に負担がかかる

たとえば、お子さんが帰宅した際に、お客様がまだいらっしゃったとします。

子供が「ただいま！」と大きな声で玄関を勢いよく開けたら「静かにして！」と注意したくなりませんか？リラクゼーション系のサロンだっとしたら特に生活感を出したくないはずです。

お友達と家で遊ぶとか、テレビを見ながらおやつを食べるなどの際に、音やにおいを気にしなくてはなりません。子供としては、普通のことが自由にできなくなってしまいます。

夕飯の準備もお客様や生徒さんを気にして自分のタイミングでできません。魚を焼いたり、煮物をしたりするとにおいが家の中に広がり気を使います。入浴の時間もズレてしまう場合もあるでしょう。ゆったりとしたくつろげる自宅での生活からは程遠くなります。

また、常にきれいにしておくことを強要する事にもなるでしょう。うっかり何かうっかり物を置いただけで、注意されたり、怒られたりする生活になるのです。

これは、子供だけでなく、旦那さんや同居している家族全員に当てはまります。

つまり、自宅の一室をサロンや教室にして特定多数の人の出入りを促す空間にしてしまうと、家族の誰かに負担がかかり、不平不満が生まれるのです。

出費ばかりで稼げない

自宅をサロンや教室にした場合、出費を抑えるためだったはずなのに、結局出費がかさみ稼げません。家計の足しにするどころか、手出しが多くなります。これは、ビジネスプラン的に甘くなる傾向があるからです。

家賃はかかりませんが、広告宣伝費、勉強資金、備品、光熱水費、通信費など意外と運転資金はかかります。オープンしたからと言って、最初からお客さんが来てくれるわけではありません。

家計の足しにしたいのであれば、短時間のパートやアルバイトへ行った方がお金になります。

防犯上危険

ご相談を受けた方で実際にあった事例をご紹介します。

自宅の一室を小中学生を対象とした学習塾としている方ですが、ほかの部屋にあったポータブルテレビが無くなったそうです。生徒さんや親御さん達には、ほかの部屋には入らないように伝えていたとのこと。それでも、玄関やトレイは自宅と共有です。トイレを使用する際に、チラッとほかの部屋をのぞいている可能性はあります。

生徒さんを疑いたくないけれど、どう考えても塾の後に無くなっていることから、犯人はどの子かと疑いながら接してしまうことが心苦しいとのことでした。

つまり、自宅なのに貴重品や備品の管理に気を使わなくてはならない生活になるということです。