キッチンは火と水を使用し、生ものを扱うことが多く汚れやすい場所です。家を新築するとき、キッチンが家の真ん中にある間取り案が出た際には、家相や風水の観点から見ると、果たして良いのか悪いのかと気になるものではないでしょうか。

キッチンは、家族みんなの食事を作ることによって健康を担う大切な場所です。近年のキッチンは、対面型のキッチンをリビングダイニングと隣接させて設置させることが多い傾向があります。リビングやダイニングをなるべく家の真ん中に持ってくると、必然的にキッチンも家の中心に来てしまうものです。

家相や風水では、家の中央を「その家での生活の中心を担うとても重要な場所」であると考えます。そのような大切な場所にキッチンがあることは果たして良いのでしょうか。このページでは、家の中央にキッチンがある間取りについて家相や風水の観点から解説していきます。

家相・風水で理想的とするキッチンの間取り

家相や風水では、火と水を使うキッチンは、窓があって風通しがよく、明るい日差しが入ってきて、汚れに気が付きやすいことが大切だと考えます。

そのため、明るい太陽の光が入る東や東南のキッチンが理想的です。

家相や風水では、方位にはそれぞれのエネルギーがあると考えます。北は「水」南は「火」東と東南は「木」北東・南西・中央は「土」北西・西は「金」の性質のエネルギーを持っていると捉えるのです。

このように物事を5つの性質に分けて考える思想を「五行説(ごぎょうせつ)」といいます。家相や風水では、この五行説を使って吉凶を考えていく学問です。

五行説では、木がこすれあって火を生み、火によって燃えた木は灰になって土になり、土の中から金が掘り出され、金が冷えると表面に水がつき、水は木を育てるというエネルギーの循環を生み出す関係性であるため、相性が良いと考え「相生(そうしょう)」といいました。

一方で、相性の悪い関係を木は土の栄養素を吸い取り、土は水をせき止め、水は火を消し、火は金を溶かし、金は木を切り倒す現象を用いて、相剋(そうこく)関係といいます。まとめると下図のようになります。

これは、各方位の持つエネルギーの関係性を見る際にも用います。東や東南は、火のエネルギーとも、水のエネルギーとも相性の良い方位です。このような理由から、キッチンは東か東南に配置することが理想的な間取りとなります。

家の中心はその家での生活の質を左右する

家相や風水では、家の中心をとても重要な場所と考えます。すべてのエネルギーが中央に集まるからです。

家相では、東、西、南、北を30度、東南、南西、北西、北東を60度の範囲と定めています。このとき、真北と真南を結ぶ線と、真東と真西を結ぶ線を正中線(せいちゅうせん)と呼びます。この正中線は、上にあるものの影響が強く出やすいところです。

また、鬼門と呼ばれる北東の中心と、裏鬼門と呼ばれる南西の中心を結ぶ線を鬼門線(きもんせん)または運線(うんせん)といいます。このライン上は気が乱れやすく、不浄の物を置くと、その気を広げてしまうため注意が必要です。

この正中線と鬼門線は、家の中央で重なります。このように家の中央は、エネルギーが集約されるだけでなく、拡散することにもなるため、不浄なものを置いてはいけないと考えるのです。家の中心に置くものが不浄なものだと、陰の気を持つ悪いエネルギーを家全体に広まってしまいます。

キッチンは、相性の悪いエネルギー同士である火と水を使います。また、生ものを扱うため汚れやすく不浄な状態になりやすい設備です。そのため気が乱れやすく安定しません。火と水との相性の良いところへ配置するように注意が必要です。

キッチンのようなエネルギーバランスの不安定な設備を家の中心に置くと、イライラしやすかったり、不満を感じやすくなったりして、生活の質が低下してしまいます。特に汚れた食器を貯めてしまったり、掃除をしなかったりすると陰の気(マイナスのエネルギー)を家全体に広めてしまうことになるのです。

家の中央にキッチンがある間取りは凶

方位のエネルギーの持つ相性から見ても、中央は「土」のエネルギーを持つ場所であり、シンクが持つ「水」のエネルギーとは相性が良くありません。

また、家の真ん中は窓を取りづらいため、防火の面でもキッチンがあることは良くない間取りであると考えます。キッチンでは火を扱うため、もしも火事になった際に、キッチンが家の中央にあると火が燃え広がりやすく大変危険です。

さらに、キッチンでは料理を作る際に、いろいろなにおいが発生するものです。性能の高い換気扇でも、家の中央にキッチンがあると、どうしても家全体ににおいが広がりやすくなります。いつまでも料理の際に発生したにおいが充満していると不快なものです。カーテンなどの布製品ににおいが移ってしまうと数日取れない場合もあります。その点、窓があることによって換気がしやすいので、中央にキッチンを配置せず、窓が取れる場所に配置するようにしましょう。

家の中央にあることで窓の取れないキッチンの事例

キッチンを家の真ん中に配置しない方が良いというのは、ここまで述べてきた理由だけではありません。採光を考える際にも家の中央には注意が必要です。

こちらのお宅は、廊下と部屋に囲まれた家の中央付近にキッチンがあります。

オレンジ色の枠線で囲った部分がキッチンです。図面の上側には廊下があり、キッチンの奥は洗面脱衣室へとつながるランドリースペースとなっています。

間取り図の下側は和室とリビングダイニングです。このような間取りに配置にした結果、キッチンは窓が取れず、昼間でも真っ暗になってしまいました。晴れた日の日中なのに、電気をつけないと写真のような状態です。

家に入る採光の状態は、その家に住む家族の生活がどのようなものになるのかを表しています。家の中心がこのように昼間でも真っ暗な状態は、外からは分からない暗い闇(悩み、苦労、不平不満、あきらめなど)を抱え、そのような不満な思いが中心の生活となってしまうため良くありません。

たとえば、世間的にはとても仲が良く幸せそうな家庭に見えるのに、実はいろいろと問題を抱えている家族になってしまうのです。

このように家の真ん中が真っ暗になってしまう状態を家相では、中央暗所(ちゅうおうあんしょ)と呼び、大凶の間取りと考えます。家の中心は、太陽の光が日中自然に入る状態の間取りにすることが大切です。

中央暗所の対処法

上記のお宅のように、家の真ん中に窓の取れない真っ暗なスペースのある間取りの家に住んでいる場合は、日中電気をつけっぱなしにして、明るさを操作しましょう。さきほどの真っ暗だったキッチンですが、電気をつけることでこのようになります。

先ほどは食器棚やレンジなどがどこにあるのか分からないくらい暗かったキッチンでしたが、いろいろなものが見えるようになりました。真っ暗なキッチンは、気分が落ち込むだけでなく、どこに何があるのかわかりづらいため、ぶつかったり、転倒したりする危険性もあります。

このように家の中央が真っ暗になってしまっている場合は、日中誰もいなくても電気をつけておきましょう。そうすることで、家のエネルギー状態が変わります。夜は消しても構いません。

昼間の太陽が昇っている時間帯に真っ暗で光が入らないことが問題を生じさせるのです。夜は太陽が沈んでいますから、暗いことが自然ですから問題ありません。あくまでも日中なのに暗い空間が家の中にあることが生活上の問題を生じさせるのです。

日中電気をつけっぱなしにしておくことで、電気代がかかるとか、ショートして火事になったら困るなどと考える人がいます。

しかし、日中電気をつけっぱなしておくことによる電気代はたかが知れています。使用している電気の消費電力量にも寄るとは思いますが、年間200円から300円程度のものです。それで慢性的に抱えてしまう悩みや苦労が解消されるなら安いものではないでしょうか。

まとめ

家の真ん中にキッチンを配置することについて、どのように考えればよいのかを家相と風水の観点から解説をしました。

家の中心は、エネルギーが集約されるところで、生活の質を左右する重要なスペースです。そのため、不浄なものを置いてはいけません。キッチンは、生ものを使用するため汚れやすく、不浄なスペースとなりやすい設備であるため、間取りを考える際には中央に設置しないように注意が必要です。

また、キッチンは火と水を使うためエネルギーが不安定になります。火は水によって消されるため、相性が良くなありません。そのような相性の良くない火と水のエネルギーを持つキッチンは、東か東南に設置することが理想的です。

東や東南のキッチンは、朝日が入るため、とても明るく前向きな気持ちで家事に取り組めます。東と東南は、火と水の両方のエネルギーと相性が良いだけでなく、気持ちも明るくしてくれる方位です。

また、窓が取れるかどうかも大切なポイントといえます。窓のないキッチンは、防火や換気の面でお勧めしません。

そして、家の真ん中を暗がりにしないことも大切です。家の中央が暗いと、外からは分からない悩みや苦労を抱え、不平不満を貯める生活となってしまいます。採光に工夫をして明るく幸せな生活を手に入れていきましょう。


家相(間取り)が変われば人生が好転する

これまで運がないと感じたり、どれだけ頑張ってもうまくいかなかったりすることはないでしょうか。

例えば仕事であれば、ブラック企業で働いていて収入や休みが少なく、労働時間が長いわりに給料は良くないことがあります。その場合、体が疲れ切っていて調子が悪いです。

また健康であれば、「脳梗塞になった」「がんと診断された」「ヘルニアになった」などを含め、何だか体調がすぐれないことがあります。

家族関係も大きな問題です。夫婦仲、息子、親、兄弟との関係が冷えていると家で過ごすプライベート時間が居心地の悪いものになります。他にも人間関係という意味では、上司・部下、同僚、ママ友、近所づきあいなども関わってきます。

こうした問題を抱えている人の家相・風水を私は長年みてきました。それらに共通することは、どれも家相が悪いということです。例えば仕事運のない人は「仕事で信頼されにくいとされる間取りの家」に住んでいます。健康に問題のある方は「健康を害しやすい家相の家」に住み続けています。

そこで家相(間取り)を変えれば、1年以内にそれまでの人生が好転するようになります。