玄関はその家の顔ともいえる部分です。セールスマンなどたくさんの家を訪問する仕事をしている方は、「玄関の雰囲気でその家に住む人の様子が分かる」ともいいます。

また、玄関は家族や訪問者が出入りするだけでなく、環境や土地から受ける「気」を家の中に入れる場所です。玄関が暗くて空気がよどんでいると、お客さんからの印象が悪くなります。それだけでなく、住む人の気分も暗くなり、家全体をめぐる「気」まで悪くなってしまいます。

このページでは、家族の運気を左右する玄関について、「どのような玄関が良い玄関なのか」「玄関から入ってくる気のパワーを強めるにはどうしたらいいのか」について解説します。

家相における良い玄関とは

家相における玄関の位置とは

家相上の玄関とは、たたきと玄関扉の部分を指します。「たたき」とは、コンクリートで固めた土間のことです。昔は土に石灰や水などを加えて塗りたたき固めたことから「たたき」と呼ばれるようになりました。

まずは、あなたの家の玄関は家の中でどちらの方位にあるか確認してみましょう。

家相を観る際には、重力の中心を割り出す必要があります。家の図面を外周で切り取って、先のとがったものに乗せた際に、バランスの取れたところが重力中心です。なかなか安定しない場合は、写真のように鉛筆の背に乗せると少し接地面が広くなるので、確定させやすいくなります。

外観を切り取る場合は、ウッドデッキや玄関ポーチなど、外気にさらされている部分は含めないでください。逆に外気が遮断されているサンルームや風除室は含めましょう。地面から張り出していない出窓は切り取ってください。重力の中心がわかったら、今度は方位をみていきましょう。

あなたの家の玄関はどこの方位にある?

導き出された中心から、東、西、南、北は30度、東南、南西、北西、北東は60度の範囲でみていきます。すべての方位を均等に45度で割るのは風水の見方です。ここでは30度と60度で分ける家相の見方で解説していきます。あなたの家は、中心から見て玄関の位置はどちらの方位にありますか?

北と北東、南と南西など2つの方位にまたがっている場合は、面積比率の大きいほうを玄関の位置とします。判断しづらい場合は、玄関扉の位置で判断してください。

東南玄関が良いと言われる理由

東南は、東から朝日が昇り、南へと昇りゆく太陽の光を受け、発展のエネルギーが強い方位です。ですから、玄関を東南に設置するとその家に住む人は出世する、繁栄・発展するなどと言われるのです。

しかし、引っ込んでいる玄関だと、東南にあっても良い気は入ってきません。

東南が欠けている(凶)ということになり、東南の気が影響する現象である「人や物とのつながり、信頼、整える力、結婚運、仕事運など」が失われます。ですから、ただ東南に玄関があれば良いというわけではないのです。

もちろん、良い形であれば、東南に玄関があると良いでしょう。

引っ込んだ玄関は凶相になる

方位が分かった後は、玄関が出ているか、引っ込んでいるかを確認してください。出ているかフラットな状態であれば欠け(凶)ではない可能性が高いです。

家相の張り欠け(吉凶)は下の図のように、端から出ている場合は1辺の3分の1以内、真ん中からの場合は1辺の5分の1以内の張り出しで無ければなりません。それ以上の幅の場合は、欠けとなり凶相です。

この条件を満たしたうえで、玄関の張り欠けを観ていきましょう。下の写真のように引っ込んだ玄関は欠け(凶)になります。

玄関前のポーチ部分が出っ張っているだけでは「張り」にはなりません。屋根と床と壁に囲まれていて、外気と遮断されている部分のみ家相に含みます。ですから、ポーチは外気が通り抜けるため、家相鑑定上は外とみなします。

まず、玄関は引っ込ませ(欠けさせ)てはいけません。

最近は、玄関を少し引っ込ませて、2階の床部分で玄関前のポーチ屋根とするケースが増えています。このような形状にすると施工費が安く済むからです。玄関を引っ込ませることなく、ポーチを張り出させて設置するとなると、それだけで、50万円から100万円ほど高くなってしまいます。

だからと言って、写真のように引っ込ませてしまうと家相(家の形)としては、凶相(悪い家相)となってしまうのです。

引っ込んでいる玄関は、家相鑑定上はもれなく凶相(悪い家相)になります。

「玄関は東南が良い」と世間に出回っている風水の本には書いてありますが、外壁から引っ込んでいる東南の玄関だと良い玄関ではありません。少しだけ出っ張っているか、左右の部屋と同じライン上に揃っている位置にあるなら、東南の玄関は確かに位置として良い玄関です。しかし、引っ込んでいると凶相(悪い家相)の玄関になってしまいます。

冷える玄関は良くない

もともと玄関のたたきは土間です。家相は温度と湿度が一定であることを良い(吉)とします。

しかし、土間はコンクリートで作られているため、冷気を通しやすくどうしても冷えてしまいます。家相では「冷え」を凶に近い作用が出ると考えます。のです。そのため、玄関を欠けさせてしまうと、形状の悪い影響を土間の冷えが強めることになり、凶作用が大きくなってしまいます。

近頃の住宅では、家族用のプライベート玄関として、シューズクローゼットスペース(シューズクローク)を設けるプランが増えています。この場合、土間にすると今まで述べてきたように、冷える部分が増えることになり、それだけで欠けの悪い要素が強くなってしまうのです。たたきの面積はできるだけ少なく抑えるように考えてください。

どうしてもシューズクロークを設置したい場合は、たたき(土間)ではなく床にして収納だけのスペースにすることで、冷えからくる凶の影響は抑えられます。床がある場合は、玄関の一部というよりも廊下のような位置づけになります。

もうすでに設置されている場合は、すのこを敷くとたたき(土間)からのデメリットは軽減されます。

一方、程よく出ている張りの状態だと吉の効果が出るため、たたき(土間)が冷えていてもさほど影響は受けません。ですから、玄関は小さくても張り出させてほしいのです。

北東や南西の玄関は災いを招き入れるの?

風水では、北東の鬼門、南西の裏鬼門に玄関は良くないとしている流派が多くみられます。

鬼門玄関

鬼門と呼ばれる北東は、鬼が出入りする不吉な方位であるという中国由来の考えから鬼門の玄関を避ける傾向があります。それだけではなく、鬼門は気が立ち上がる場所であるため、気が安定しない場所です。そのため鬼門と裏鬼門を結ぶ線(鬼門線)のうえは、激しく気が行きかう不安定な場所であると捉え、配置する設備に気を使ったほうが良いと考えます。このことから、鬼門に玄関があると住み始めて3か月程度たつと、落ち着きがなくなり長く住めないといわれています。

しかし、家相が良い(家の形が良い)場合は、鬼門や裏鬼門に玄関がきても問題は起こりません。

確かに鬼門に玄関があると気の流れがほかの位置よりも激しいです。しかしその分エネルギーにあふれた元気なご家族が住む家になります。欠けのある家で、鬼門や裏鬼門に玄関があると、家庭内が落ち着きませんが、吉相なら問題は無いのです。

つまり鬼門とされる北東に玄関を置いた場合は、程よく出ている吉相の形状だと親族関係がよく、親思いのなにごとにも積極的な家族が住んでいる家と判断します。一方引っ込んでいる欠け(凶相)状態の鬼門玄関の場合は、相続問題を抱えるなど、親子や親戚関係の課題を持つことになります。

鬼門玄関よりも南玄関が危険

家相では北東の鬼門や南西の裏鬼門に玄関を設置しないことよりも、欠けた(引っ込んでいる)状態の南玄関がもっとも危険であると考えます。

南玄関が危険であると考える理由は、南は「離散・離別・けんか・闘争・訴訟」などの問題がその家にあるかどうかを見極める際に、形状を確認する方位だからです。南の玄関で引っ込んでいる(欠けている)状態になっている場合、もめごとが起こることが多く、感情的になりやすい家庭であると判断します。

常に家族間でもめごとが多い状態だと、離婚の可能性が高まります。それでもなんとか、結婚関係が維持できた場合でも、子供がその家から離れていくことになります。南方位の玄関で引っ込んでいる形状の玄関にお住まいの方は、心を穏やかに保つ工夫をされることと、下記の「引っ込んだ玄関への対策」を施してください。

欠けの玄関への対策

家相では、程よく張り出ている「張り(吉)」のある家は、家の中に流れる気のエネルギーが強く働き、引っ込んでいる「欠け(凶)」の形の家は、気の流れが弱くマイナスに働くと考えます。

玄関が欠けていると外から良い気が入ってきても、家の中に入るときに弱めてしまうのです。リフォームが可能な場合は、柱を立て、壁をつくり、外気と遮断するスペース(風除室など)を設け、張りを作ることで良い家相に変更しましょう。

家相鑑定では、屋根、床、壁に囲まれた空間は家の中とみなします。ですから、このような風除室を設けることで、引っ込んでいる部分が埋まるのです。

風除室を設置するメリット

風除室を設置するメリットをあげてみましょう。

  • 鍵を風除室にもつけることができるため、防犯面を強化できる
  • 台風など雨風の強い日に玄関へダイレクトに吹き付ける強風をしのげる
  • 玄関から入る冷たい空気が緩和される
  • ガラス張りなので、光を遮断することがない
  • 傘、植木、三輪車などを置きやすい
  • 郵便受けを風除室内に設置すると郵便物が雨でぬれることが無い
  • 送迎時に雨風にあたることなく車の動きをみることができる
  • ペットが安全に日向ぼっこをすることができる

このように、家相鑑定上の欠けを補うことはもちろん大きな目的ですが、雪が降らない地域にお住まいだったとしても、いろいろなメリットがあります。

先ほどの引っ込んでいる(欠け)の玄関に風除室を設置し、張り(吉)にリフォームを施しました。

これだけで、図面上張りがある吉相(良い家相)に変化させることができました。事前打ち合わせは、現状の確認と要望のヒアリングを2回ほど行います。その後、工事当日は1日で完成です。

玄関の形状や大きさにもよりますが、20万円から50万円程度で凶相の家から吉相の家へと変化させることができるのは魅力的ではないでしょうか。

ただし、家の形状によっては、風除室を設けることで逆に凶を強めてしまう場合もあります。まずは、ご自身の家の家相の吉凶をしっかりと把握してください。そのうえで、凶相の場合はどのような回避方法があるか慎重に検討する必要があります。

リフォーム以外の対策

このような大規模なリフォームができない場合は、以下を参考にしましょう。

  • 換気を小まめにして、きれいにすること
  • 靴を脱ぎっぱなしにしない
  • 明るい光が入るように工夫する
    (難しい場合は、日中電気をつけておく)
  • 花や観葉植物を置く
  • お香やアロマなど良い香りのするものを置く
  • 玄関と相性の良い色のマットを敷く

このような対策では、形状の凶は補いきれません。しかし良い運気を家の中に招き入れることにはなります。また、欠けていないもともと良い形の玄関の場合は、上記のことを気にかけて生活することで外から入ってきた気を強めることができます。

方位別でみる玄関と相性の良いマットの色

玄関マットは、外気と家の中を隔てる結界の役割をします。下駄や草履で生活していた時代、外出して足についたチリやほこりは玄関前で洗い流して家に入りました。靴が普及した現代では、家に入る前に足を洗うことはしません。その代わりに玄関マットを踏むことで、外と中の区別をつけることができます。

そのような大事な役割のある玄関マットを敷かないと、外でつけてきた要らないものを家の中に入れてしまうことになるのです。

では、玄関の方位によって、何色のマットを敷くと良いのか一覧にまとめますので参考にしてください。

オレンジ、ピンク、金・銀・パールなど光沢のある色、青、緑、白、黒
北東 紫、赤、黄、茶、 オレンジ、ピンク、金・銀・パールなど光沢のある色、ベージュ
緑、白、黒、青
東南 青、白、黒、赤、紫 、緑
青、緑、ベージュ、茶、黄 、赤、紫
南西 赤、紫、ベージュ、黄、 オレンジ、ピンク、金・銀・パールなど光沢のある色、茶
西 オレンジ、ピンク、金・銀・パールなど光沢のある色、黄、ベージュ、茶、白、黒
北西 オレンジ、ピンク、金・銀・パールなど光沢のある色、黄、ベージュ、茶、白、黒
中央 赤、紫、オレンジ、ピンク、金・銀・パールなど光沢のある色、黄、ベージュ、茶

補足としては、西に赤、青、紫のものを置くと金運が落ちます。また、北に赤いもの、南に白と黒のものを置くともめごとを引き寄せますので、注意してください。

これから家を建てる計画のあるかたは、道路や周辺環境に合わせながらも、引っ込ませた玄関にならないようにプランを練ってください。特に玄関を南に配置する場合は注意が必要ですので、なるべくほかの方位に移動させるようにしましょう。

まとめ

玄関は家の中に外の気を引き込む大切な場所です。家の中にパワーの強い良い気を引き込むには、家の形が良い(吉相である)ことが第一条件です。

玄関が東南にある家だからと言って、家相が良い家だとは言えません。

あなたの家の形が吉相であるか、それとも凶相であるのかをしっかりと確認し、凶相の場合はしかるべき対策を打って悩みや苦労のない住むだけで運気が上がる家を手に入れましょう。

家相の良い家とは、引っ込んだところが無く、一部に張り出しのある家のことを言います。最近よくあるポーチを2階の床で賄うような引っ込んだ形状の玄関の場合、ほとんどは凶相(悪い家相)です。

もしも、そのような形状の家に住んでいる場合は、玄関前の引っ込んだ部分を風除室を設けるなどして補うことで、家相を凶から吉へ変化させることができます。

欠けの家の場合、良い気が入ってきてもその瞬間に弱まります。まずは、家全体の形を吉相に整えることが大切です。
どうしてもリフォームが難しい場合は、これまで述べてきたように、玄関と相性の良い色のマットを敷きましょう。そして、掃除をこまめにしてきれいに保ち、「花」「観葉植物」「香り」の力を借りて、心地の良い空間を作るように工夫してください。


家相(間取り)が変われば人生が好転する

これまで運がないと感じたり、どれだけ頑張ってもうまくいかなかったりすることはないでしょうか。

例えば仕事であれば、ブラック企業で働いていて収入や休みが少なく、労働時間が長いわりに給料は良くないことがあります。その場合、体が疲れ切っていて調子が悪いです。

また健康であれば、「脳梗塞になった」「がんと診断された」「ヘルニアになった」などを含め、何だか体調がすぐれないことがあります。

家族関係も大きな問題です。夫婦仲、息子、親、兄弟との関係が冷えていると家で過ごすプライベート時間が居心地の悪いものになります。他にも人間関係という意味では、上司・部下、同僚、ママ友、近所づきあいなども関わってきます。

こうした問題を抱えている人の家相・風水を私は長年みてきました。それらに共通することは、どれも家相が悪いということです。例えば仕事運のない人は「仕事で信頼されにくいとされる間取りの家」に住んでいます。健康に問題のある方は「健康を害しやすい家相の家」に住み続けています。

そこで家相(間取り)を変えれば、1年以内にそれまでの人生が好転するようになります。