住宅の玄関とは別に、キッチンや洗面所などから外とつながる出入り口を「勝手口」といいます。買い物をしてきた荷物を搬入したり、ゴミを出したりするために設置する方が多いスペースです。

しかし、実際のところ生活するうえで勝手口は本当に必要なのでしょうか。戸建てと比べると、マンションには勝手口はありません。

もし、勝手口を設けなかったら、冷蔵庫を置いたり収納スペースとして活用したりすることができます。このような少し考える余地がありそうな勝手口ですが、家相風水的にはどのように考えるのでしょうか。

このページでは、勝手口についての考え方や使用方法、設置する際に家相・風水の考え方からの注意点について解説していきます。

勝手口の役割ってなに?

日本ではその昔、女性が玄関から出入りしないという伝統として勝手口が作られました。つまり勝手口は、表から出入りするような立場にない人が使う出入り口だと言えます。玄関はお客さんを招き入れたり、主人が出入りしたりする場所で、下の立場の者は勝手口から出入りするものとして分けられていたのです。

ときおり、勝手口から家族が出入りしていて、近所の人もそこから声をかけてくるくらいになっているご家庭があります。玄関を本来の目的で使用していないのです。このようになってしまう原因としては、車庫から表玄関までの距離が遠いなど、立地の関係があります。駐車場から玄関までが遠く手前に勝手口があるとついつい使用してしまう気持ちもわかりますが、家相・風水の考え方では良い使い方とはいえません。

基本的に気は玄関から家の中に入ってきます。普段から玄関を使っていないとすると、良い気は入ってこないでしょう。では、どこから入ってくるのかというと、普段使っている勝手口になります。

先ほど述べたように、勝手口は部下使用人など、表から入る立場にない人の出入り口です。ですから勝手口を主に使用している家の人は、みんな自己犠牲的な生き方を強いられることになるでしょう。自分の思い、夢、目標などよりも、家族を優先に物事を考えなくてはならない状況になる可能性が高いと言えます。

たとえば、家計が苦しく進学をあきらめ、働くことを選択しなければならなかったり、やりたいことがあるのに、言い出せず我慢を強いられながら生活を続けることになったりするのです。

「車庫から玄関が遠くて不便」「勝手口の方が表の道路に面していて便利」などの理由があるなら、リノベーションをして玄関の位置を変更することをお勧めします。

玄関以外の出入り口は必要なのか

勝手口は、玄関以外の出入り口ともいえます。災害が起こったり、事件事故等に巻き込まれたりするなどの非常時には、玄関のほかに出入り口があると避難経路の確保ができ安心です。このように勝手口は、非常時の対応を理由に設置する方が多くみられます。

しかし、その一方でスペースが取られるため、必要なのか疑問に感じるという方もいらっしゃるのです。勝手口を設け無ければ、キッチンの場合は冷蔵庫を置くスペースにちょうど良かったり、収納にできたりします。もし、必要でないものであれば設置したくないと考える方もいらっしゃいます。

勝手口を設けられるスペースが無いけれど、玄関以外にも出入り口を設けたいという場合は、「掃き出し窓」を設置しましょう。掃き出し窓とは、人が外部に出入りできるくらいの大きさで、床との段差がない窓のことを言います。この窓を設置することでも、非常時の対応は十分にまかなえるでしょう。

また、玄関までの移動に関して、「生ゴミを持って家の中を歩きたくない」「キッチン横の人目に付きにくいところに生ごみをストックしておく場所を作りたい」などの気になる点があれば、玄関と反対側に掃き出し窓を作ることができれば問題が解決するのではないでしょうか。

風水・家相的にも勝手口より掃き出し窓がおススメ

勝手口は下の写真のように靴を置くところを土間仕上げにしている場合が多くみられます。土間は外の状態をダイレクトに伝える性質のある素材です。

外気が寒いと、この部分はかなり冷え込みます。また、雨が続くとしっとりと湿気をおび、じめじめした感じではないでしょうか。

このような冷える状態のスペースは、家相・風水的に考えるとエネルギーを弱める場所と考えます。どうしても冷えてしまう土間の部分は、家の中になるべく設けないようにしてください。

特に、北と南を結ぶ正中線(せいちゅうせん)上、東と西を結ぶ正中線上、北東と南西のそれぞれ中心を結ぶ鬼門線(きもんせん)上には設置しないでください。

正中線と鬼門線の上は、エネルギーが強い傾向があります。このライン上に土間を配置してしまうと、土間によって冷えてしまっていることで発生する陰の気(マイナスのエネルギー)が拡散してしまいます。たとえ、少しずらして、これらの2つの線上でなかったとしても、設置した場所のエネルギーを下げることには変わりありません。

このように、家の中に冷えてしまう部分を設けることは避けましょう。ゴミ出しなどに必要だと考える場合は下記のことに注意してください。

  • 全て床張り仕上げとする
  • 土間などを設ける必要のない掃き出し窓を選択する
  • コンクリート、土間、タイルなどを避け、あたたかみのある素材を吟味する

以上の点に注意して間取りを考えましょう。

勝手口を設置する際の注意点

勝手口の設置場所は、キッチンや脱衣所の横でもどこでも可能です。ただ、靴を脱ぐところを土間やタタキなどの冷える素材は選ばないようにしましょう。家相・風水では、家の中に冷える部分を設けるとエネルギーが減退すると考えるからです。

昔は今のように設備が整っていなかったので、外から水を運んできたり、風呂を焚きに行ったりするために勝手口が必要でした。しかし、現代ではライフスタイルが変わり、無くてはならないものではなくなったと言えます。

緊急時の非常口としての役割を考えるのであれば、掃き出し窓(外へ出入りできる大きな窓)を選択することで用は足りるでしょう。

また、勝手口はできるだけ玄関代わりに使用しないように心掛けてください。外来者は必ず玄関から入ってもらい、家族もなるべく玄関を使用するようにしましょう。環境や家族などを優先し、自由に動けない自己犠牲的な生活になってしまいます。

まとめ

生活を便利にするために、勝手口が必要だと思わるようであれば、真北真南を結ぶ正中線と北東と南西の中央を結ぶ鬼門線の上は気が乱れやすいため避けましょう。

また、靴は勝手口のドアの外で脱ぎ履きすることが理想的です。天候により靴の保管が大変だと考えるなら、一辺の3分の1以内の幅で囲いを設けることで吉相の家にすることができます。しっかりと計測して、ちょうど良い出っ張りを設け、住むだけで運気が上がる家を作ることができるのです。


家相(間取り)が変われば人生が好転する

これまで運がないと感じたり、どれだけ頑張ってもうまくいかなかったりすることはないでしょうか。

例えば仕事であれば、ブラック企業で働いていて収入や休みが少なく、労働時間が長いわりに給料は良くないことがあります。その場合、体が疲れ切っていて調子が悪いです。

また健康であれば、「脳梗塞になった」「がんと診断された」「ヘルニアになった」などを含め、何だか体調がすぐれないことがあります。

家族関係も大きな問題です。夫婦仲、息子、親、兄弟との関係が冷えていると家で過ごすプライベート時間が居心地の悪いものになります。他にも人間関係という意味では、上司・部下、同僚、ママ友、近所づきあいなども関わってきます。

こうした問題を抱えている人の家相・風水を私は長年みてきました。それらに共通することは、どれも家相が悪いということです。例えば仕事運のない人は「仕事で信頼されにくいとされる間取りの家」に住んでいます。健康に問題のある方は「健康を害しやすい家相の家」に住み続けています。

そこで家相(間取り)を変えれば、1年以内にそれまでの人生が好転するようになります。