風水といえば、「八角形の鏡」「龍の置物」などのグッズを置くことで、運気を上げる手法と捉えている方が多いのではないでしょうか。
特に鏡は玄関に置くことで、「幸運を引き寄せる」「凶を跳ね返す」などといわれています。91140-1

このページでは、風水を生活に取り入れようとすると目に留まる「玄関に鏡を飾ること」について、そんなことで本当に運気が上がるのか詳しく解説していきます。

風水と家相の考え方の違い

風水では、鏡は玄関に飾ることで幸運を呼び寄せるパワーがあるとしています。

また、自宅の敷地近くに鉄塔があったり、大きなビルの角が自宅の方に向いていたりする場合に、それらから出る悪いエネルギーを跳ね返してくれる力が鏡にはあると考えているのです。

そして、住んでいる建物の形状が欠けている(引っ込んでいる)ことで、良くないことが起こると指摘される部分の壁(内側)に鏡を掛けると凶作用を抑えることができるとしています。たとえば北が引っ込んでいる家の場合は、家族関係が良くありません。そのような形状の家の場合、北の部屋の該当する部分に鏡を置くと家族関係の悪化を止めることができるといわれます。

しかし鏡にそのようなチカラはありません。そもそも風水の古典書に書かれている鏡とは「青銅」の事です。青銅は磨くと輝くため人の顔が映ります。現代の鏡とは性質が全く異なるのです。

ここで確認しておきたいことは、風水は土地の形状から風や水の流れをみて、その地域の良し悪しを判断するために使われた手法だということです。一方、家相は家の形や間取り(配置の方位)から、住人の生活の質や状態を判断する方法になります。

つまり、風水は土地の良し悪しを判断するものです。家の中に何かものを置くことで多少の影響はありますが、その人の人生が変わることはありません。その家での生活や人生の傾向までもみることができるのは、家相からの見解なのです。

家相の見方では、建物の形状が欠けている(引っ込んでいる)場合、増改築をしてその部分を張り出させるかその部分に別棟を建てなければ補えないとするのです。そもそも家の形状で引っ込んでいて「ない」部分を、鏡のような小さなものを置いて、屋根・床・壁が「ある」ことにできると考えるには無理があります。

家相は風水の土地を見る知恵を、方位学である九星気学の思想に取り入れて発祥し発展しました。

九星気学では「方位によってそれぞれ起こる現象や持っているエネルギーが違う」としています。この基本が分かると、開運グッズを置く際は、「玄関には鏡を置くと良い」などと部屋の用途によって判断するのではなく、方位と物の相性が重要だと理解できるのではないでしょうか。

風水グッズは運気をあげられる?

このような理由で、ほとんどの風水グッズはかかわる人や業者の儲け目的で売られているものだといえます。だまされないようにしてください。もし、すでになにか風水グッズを購入しているなら、もったいないので相性のいい場所に置くようにしましょう。

風水グッズで家相の凶を補うことはできません。しかし物にはエネルギーがありますから、多少何らかの変化はあるものです。置いてから変化を何も感じられないというなら、それらは効果を発揮できる場所に置かれていない可能性があります。

そのようなものを置くときは、まず、家相の観点で正しく家の重力中心を割り出しましょう。そして、方位を確認したうえで、適材適所に配置すると良いエネルギーを家の中にもたらしてくれます。

結局、高額な風水グッズを購入してただ置けば運気が上がるわけではありません。安かったとしても正しい方位にその場にとって効果的なものを置くことができれば、それなりに運気を上げることは可能です。

方位と物には相性の良し悪しがある

家相のベースである九星気学では、世の中すべての物ごとを5種類に分類する五行説(ごぎょうせつ)にもとづいて判断します。五行説とは、木・火・土・金・水(もっかどごんすい)の5つの性質にものごとを振り分ける思想です。

五行説では、「相性のいい関係を相生(そうじょう)」「相性の悪い関係を相剋(そうこく)」といいます。

図の緑色の線が良い関係性です。水は木を育て、木はこすれ合って火が生まれ、火は燃えることで灰になって土となり、土の中から金が掘り出され、金が冷えることで表面に水滴が付き水が生まれます。

一方、右側の悪い関係性をみてみましょう。水は火を消し、火は金を溶かし、金(刀などの金物類とします)は木を切り倒し、木は土の栄養素を吸い取ります。

このような関係性が、この世の中にあるすべての物ごとに当てはまると五行説では考えられています。

家相の原点は九星気学ですから、家の中を整え運気を上げる際にも五行を応用して物の配置やインテリアの色選びをしていきます。その結果、物と方位のエネルギーの相乗効果で運気を上げることができるのです。

そうすると「鏡」は火の性質を持ち、方位では「南」を担当する九紫火星のものに分類されます。鏡は光を反射しキラッと光ることがあります。これは、太陽との縁が深いと考え、もっとも太陽のパワーが強い南を担当する火の性質に入れられるのです。

火は水によって消されます。水の性質を持つ方位は「北」です。つまり、火の要素である鏡を水の方位である北に置くと相性が悪いため、良くないことを引き寄せてしまうことになります。

このように理論をしっかりと把握すると、玄関が北にある場合、鏡を置くと効果が無いばかりか、方位と物との相性が悪いことで気のぶつかり合いが生じ、もめごとが起こることが分かってきます。

鏡を置くと本当に運気が上がる正しい方位とは

では、風水グッズの定番として知られている「鏡」はどこに置くとよいのでしょうか。

五行説で火の性質と相性の良い木の性質である「東、東南」、土の性質である「北東、南西、中央」、もともと火の性質である「南」です。つまり、鏡を置くと良いのは、東、東南、北東、南西、中央、南になります。

金の性質である「西、北西」と水の性質である「北」に鏡を置くと相性の悪い方位であるため、良いことが起こりません。金運を担当する西や北西に火のエネルギーを持つ鏡を置くと金運を燃やしてしまいます。また、北に鏡を置くと水と最も合わない火のエネルギーが鏡によってもたらされるため、家族間でもめます。もし西や北西や北の玄関の場合、鏡を置いてはいけないのです。

風水のサイトや本などには、玄関に鏡を置くと良いとか、鏡の向きに気を付けるようにとか、玄関を入って右に置くと…左に置くと…などとこまかいことをいろいろと言っています。そんなことよりも、玄関の方位によっては鏡を置くことで逆効果どころか凶作用が起こることを覚えておきましょう。

正しい開運グッズの選び方

ものを飾ることで運気を上げたいと思うなら、五行の相生相剋の図を見ながら選ぶことで、よい効果を得ることができます。下記のことに注意して買いましょう。

  1. どこに置きたいか(方位を確認する)
  2. 何を置きたいのか(性質の分類を考える
  3. どうなりたいのか(方位と物を決める)

それでは、順番に解説します。これを参考にして適切な開運グッズを購入しましょう。

1.どこに置きたいか(方位を確認する)

水の性質である北の玄関に置くとしたら、金、水、木の性質の物を置くと相性が良いです。

2.何を置きたいのか(性質の分類を考える

  1. 金の性質である龍の置物を置きたいとしたら、土、金、水の性質を持つ方位に置きましょう。

3.どうなりたいのか(方位と物を決める)

金運を上げたいなら、西にオレンジ色かピンク色のものを置くと循環が良くなります。

このような選び方をすると、狙い通りにグッズによって開運ができます。

場所を選ぶことで吉効果を高めることができる

ここまで述べてきたように、開運グッズはどこかに置くだけで人生を変えるものではありません。ただ、滞っていた気の流れを流したり、整えたりすることくらいはできます。ただ、置く場所によっては効果がないだけでなく、逆の悪い作用をもたらす場合もあるので注意が必要です。

「玄関に鏡を置くと良い」という一般的に広まっている風水の伝え方は間違っています。玄関であればいいわけではなく、鏡と相性のいい方位にある玄関に置くならいいのです。鏡の向きや形を気にするよりも、玄関の位置と鏡の相性がいいかどうかをまず確認しましょう。

まとめ

一般に広まっている風水グッズは、ほとんどのものが利益重視で効果のないものです。特に玄関に鏡を置くといいということをいう風水師には注意しましょう。玄関の方位によっては凶作用がもたらされるからです。

風水だけでなく、家相の概念も熟知した人のアドバイスにより物の配置を決めるようにしましょう。

物を置くときは、方位とそのもの自体がどのような質に分類されるのかを確認してください。正しい方位と適所にものを置くことで起こる相乗効果によって効率的によい運を得ることができます。


家相(間取り)が変われば人生が好転する

これまで運がないと感じたり、どれだけ頑張ってもうまくいかなかったりすることはないでしょうか。

例えば仕事であれば、ブラック企業で働いていて収入や休みが少なく、労働時間が長いわりに給料は良くないことがあります。その場合、体が疲れ切っていて調子が悪いです。

また健康であれば、「脳梗塞になった」「がんと診断された」「ヘルニアになった」などを含め、何だか体調がすぐれないことがあります。

家族関係も大きな問題です。夫婦仲、息子、親、兄弟との関係が冷えていると家で過ごすプライベート時間が居心地の悪いものになります。他にも人間関係という意味では、上司・部下、同僚、ママ友、近所づきあいなども関わってきます。

こうした問題を抱えている人の家相・風水を私は長年みてきました。それらに共通することは、どれも家相が悪いということです。例えば仕事運のない人は「仕事で信頼されにくいとされる間取りの家」に住んでいます。健康に問題のある方は「健康を害しやすい家相の家」に住み続けています。

そこで家相(間取り)を変えれば、1年以内にそれまでの人生が好転するようになります。