家相や風水で重要視する「気の流れ」とは何でしょうか。「気」は、目に見えず触ることもできません。そのため、「流れ」といわれても分かりにくいものです。そこで気を「空気」と置きかえてイメージしてみるとわかりやすいです。

たとえば空気の循環がスムーズだと、とても心地がよい空間になります。逆に空気の流れが悪い場所は湿度が高くなり、カビやダニを発生しやすい状態になるものです。そして、よどんだ空気になり臭いが発生し、居心地の悪い空間になります。そのような状況が続くと、居心地が悪いだけでなく、住む人の健康にも悪い影響を与えてしまい危険です。

心身ともに健康で気持ちの良い暮らしをするために、家における気の流れを理解しましょう。そして、より良い気を取り込み、充実した生活をおくるためのコツをこのページではお伝えしていきます。

家相における「気」は3種類ある

家相では気を「家の形状からみる気」「土地の形状からみる気」「周辺環境からの気」の3種類に分けて考えます。それぞれの気から受ける住人への影響どこから発生してくるのか、3つの気の違いを解説します。

家の形状からみる気

家の形状は、そこに住む人の生活に影響を与えます。家相や風水鑑定では、家のどこが出っ張っていて、どこが引っ込んでいるかを見て、その家の中に充満している気の良し悪しを判断するのです。

家相では建物の一辺の長さに対して、3分の1以内の出っ張りを吉(良い気がある)とします。このような適度な出っ張りを「張り」と呼び、張りのある家は良い家相と判断するのです。

そして、それ以上出ていると出すぎていることによる凶作用が起こる家(凶相)と判断します。
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つまり、ちょうどよく出っ張っている箇所がある家は、良い気がめぐっている家といえます。

土地の形状からみる気

これから土地を探す場合は、長方形に近い整った形を選ぶようにしましょう。三角など極端に変形している土地は選ばないようにしてください。三角の土地は値段が安く、家相や風水を気にしない方には人気があるようです。しかし、三角の土地はケンカや闘争などのもめごとが起こりやすい土地で、良い気が巡る土地ではないですから手を出さないようにしましょう。

しかし、三角などの変形した土地でも、ある程度広さがあって建物の形状が不自然な形にならずに建てられる場合もあります。そのような土地では、庭を整えたり、車庫を建てる位置を工夫したりすることで、土地の形状が原因で起こる色々な問題を回避できる場合もあります。

ただ、狭くて長方形や正方形の建物が建てられないような土地は、それだけで問題が起こりやすくとても悪い気を持っています。よほどの理由が無い限りは、三角の土地は避けるべきです。

土地の傾斜

また、傾斜した土地も注意が必要です。どの方位に向かって傾斜しているかによって、良いか悪いかの判断は違ってきます。

例えば下の図のように、北から西側が高く、東から南側が低く傾斜した土地であれば、自然の光が十分に入る見通しの明るい運気の良い土地です。朝日は東から昇り南東を通り南へと昇っていきます。つまり発展的で心地の良い明るい光が入るとても良い方位なので、低くなっていることが理想的です。

しかしその逆で、南が高く北が低く傾斜した土地では、部屋に光を取り入れる間取りをつくろうとすると、かなり苦労します。なぜなら、東から朝日が昇り、正午には南へ行く太陽の動きが、東から南側が高いことで遮断され、家の中まで入ってくることができないからです。そのことによって日照時間が短く、家に当たる時間が短くなります。

北はもともとあまり光当たらない方位です。そして西からの光は沈む太陽の光ですし、夏は蒸し熱いためあまり家の中に入れたくないため土地が高くなっているか、高い建物が建っていて光が遮断された方が良い方位です。

このような理由から北、北西、西側が高く、東、東南、南側は低い土地を選ぶようにしましょう。逆の状態(北、北西、西が低く、東、東南、南が高い形状)になっている土地は運気の悪い土地です。

たとえば高いほうが良いとされる北が低い土地は、いざというときに頼れる人がいない(後ろ盾がない)とされ、メンタルが落ち込みやすく、悩みや苦労の多い生活となります。また、西が低くなっている環境はお金がどんどん出ていく金運の無い土地です。特に川が西にある場合は、金運が流れていく土地と言えます。

高低差のある土地の購入を検討している際には、どちら側が低くなっているのか方位を必ず確認するようにしてください。くれぐれも北から西が低くなっている土地は選ばないようにしましょう。立地環境の悪さを家相(家の形)で補うことはかなり難しいからです。

そのほかにも、駐車スペースの確保を考える際にも傾斜のある土地では制限が多く難しいでしょう。たとえば、盛り土をしなくてはならなかったり、逆に土を削ることでフラットにする必要が出てきたりします。

ですから、土地を探す場合はなるべく長方形や正方形の四角い形状で、傾斜面ではない安定感のある土地を選ぶようにしてください。

周辺環境からの気

周辺環境の良しあしも住人に影響します。周辺の建物や自然環境をチェックして、良い気が巡っている土地を選ぶようにしましょう。

風水では、360度を東西南北4つの方位(各90度)に分け、それぞれに守り神がいるとしています。その守り神とは、東に青龍(せいりゅう)、西に白虎(びゃっこ)、南に朱雀(すじゃく)、北に玄武(げんぶ)と呼ばれ、それぞれ象徴するものがあります。

  • 東にあると青龍がいるとされるもの…川、線路、高圧線の鉄塔や送電線、地下鉄、小学校、幼稚園
  • 西にあると白虎がいるとされるもの…高速道路、大通り、国道、鉄道
  • 南にあると朱雀がいるとされるもの…海、湖、池、広い土地、低い窪地
  • 北にあると玄武がいるとされるもの…山、うっそうとした林、高い建物、団地群、神社仏閣

各方位にそれぞれの守り神を象徴するもの(川、高速道路、海、山など)があると、良い環境であると判断するのです。守り神がいることで、その土地に建物を建てると、良いことがあるとされています。得られる恩恵とは下記の作用です。

  • 東に青龍がある…ものごとが成長し発展する
  • 西に白虎がある…収入・売り上げが上がる
  • 南に朱雀がある…勝負ごとに強くなる
  • 北に玄武がある…頼れる存在が現れる、人間関係が良くなる

子育て世代で土地購入を考えている場合は、東に川や小学校があるような土地を選ぶと、そこにはお子さんの成長にとても良いエネルギーが満ちています。事業をされている方でしたら、業務拡大につながる西に大通りがあるかどうかをチェックしてください。

弁護士や株取引など、勝負に出るような職業の方は南が広くひらけた土地がおすすめです。先の見通しが効くようになります。人間関係や家庭内を円滑にしたい方は北に山がある土地を選ぶと良いでしょう。いざというときに頼れる存在が現れます。また、家族仲が良くなります。

上記のような整った環境だと4つの神様がいる土地=四神相応(しじんそうおう)の土地といいます。

気の流れを良くする方法

風水や家相では、上記のように3種類の気が、家の中や周辺にあると考えられています。それらの気を有効に活用するために、流れを確認しましょう。

環境の良い気を取り込むには

下の図のように、「土地から出る気」と「周辺環境からの影響で受ける気」は玄関から家の中に入ります。

その2つの気と家の中にある気が混ざりあい、住人の生活に影響を与えます。良い気は少しでも多く家の中に入れたいものです。しかし、住んでいるだけでは入ってきません。

まず、周辺環境がよくその恩恵を受け取りたい場合は、門を作ってください。門は敷地の外と中を分けるゲートです。つまり、周辺の環境が悪い場合は、門を作らなければ環境から受ける気は家の中に入りません。

土地の良い気を家の中に取り込むには

家が建っている土地の気も玄関から中に入ってきます。その気は敷地の中心からみて、北東方位(寅)から出て対面の南西にぶつかって、また北東(丑)に戻るとされています。

この気が出入りする北東と南西の場所が、コンクリートなどで地面が見えない状態になっていると「気の出入りができない土地に家が建っている」と判断します。

東北方位の「気の出る場所」は住人のやる気を左右しますので、ここの地面が出ていないと、やる気が起きません。また、南西方位の「気があたる場所」は行動力を左右しますので、ここの地面が出ていないと、口ばかりで行動が伴いません。

この考えは、360度に十二支を配置しそれぞれの特徴を考慮する九星気学の考えから来ています。気の出る場所とされる方位を担当するのは寅です。寅の漢字は地面に種がまかれて、ポコッと出てくる様子を表した字であることから、この場所から気が立ち上がるとされています。

また、気が収まる方位は丑です。丑の漢字はいとへんを付けると「紐」になります。丑には縛るという意味があり、戻ってきた気が紐でひとつにまとめれられ、地面に戻っていくとされています。

そのため、敷地の気の出入り口が建物やコンクリートなどで埋められていると、その土地は良い気が立ち上がりません。その結果、玄関から土地の気が入ってきません。そして、その家に住む家族は気力が弱くなります。

植栽のために一部が空いているだけでも気は出入りできますので、コンクリートで埋められている場合は、少し砕いて地面が呼吸できるようにしてください。

家に入ってきた気はどうなるのか

「周辺環境から受ける気」と「土地から立ち上がった気」は、玄関から家の中に入り、すでに家の中に充満している「家の形状による気」と混ぜ合い、家の中央へと流れます。

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そして、家の中央を通って玄関と反対側に当たると、その気は1階を満たした後、階段から2階へ上がります。2階を満たした気は、屋根から抜けて土地の気が戻るところへ帰っていくのです。このとき、気の流れの幅は玄関ドアの幅のまま入ることになります。つまり、広い玄関ドアの家にはたくさんの気が入ってくるので、これから家を建てる方はなるべく大きい玄関ドアを選びましょう。

もうすでに建ててしまっている方は、入ってきた気が弱まらないように気を付けてください。

玄関から入ってきた気が弱まってしまう家とは、今まで述べてきた「玄関から中央を通って反対側の外周に当たるルート」の上にトイレやお風呂などの水回りがある家です。もし、水回りがある場合は、なるべく綺麗にしましょう。そして、換気をしっかりしてください。

また、お香やアロマなどのいい香りと花や観葉植物は気を強めますので、ルート上に置いてください。置くスペースが無い方は写真や絵でも構いません。それから、お香など良い香りがするものを置くことも気の流れを強化してくれます。

基本的には綺麗にしておくことで、気が家の中心に向けてパワーを落とさずにまっすぐに入ってきてくれます。気の流れるルート上には必ず玄関があります。玄関が汚れていると気のパワーを落としてしまうので、靴の脱ぎっぱなしや汚れには気を付けましょう。

まとめ

家や土地の形状、周囲の環境から私たちはたくさんの影響を受けて生活をしています。いま住んでいる家がどのような状態なのかを確認してください。そして、改善すべきところを変えていくことで、家族全員が運気アップします。ぜひ気の流れをチェックして、恩恵を受け取ってください。


家相(間取り)が変われば人生が好転する

これまで運がないと感じたり、どれだけ頑張ってもうまくいかなかったりすることはないでしょうか。

例えば仕事であれば、ブラック企業で働いていて収入や休みが少なく、労働時間が長いわりに給料は良くないことがあります。その場合、体が疲れ切っていて調子が悪いです。

また健康であれば、「脳梗塞になった」「がんと診断された」「ヘルニアになった」などを含め、何だか体調がすぐれないことがあります。

家族関係も大きな問題です。夫婦仲、息子、親、兄弟との関係が冷えていると家で過ごすプライベート時間が居心地の悪いものになります。他にも人間関係という意味では、上司・部下、同僚、ママ友、近所づきあいなども関わってきます。

こうした問題を抱えている人の家相・風水を私は長年みてきました。それらに共通することは、どれも家相が悪いということです。例えば仕事運のない人は「仕事で信頼されにくいとされる間取りの家」に住んでいます。健康に問題のある方は「健康を害しやすい家相の家」に住み続けています。

そこで家相(間取り)を変えれば、1年以内にそれまでの人生が好転するようになります。